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私は声にならない声で叫んだ、
つもりだった。
「やめろー!やめるんだー!」
しかし男は私の首もとの状態をチェックしたのち
なんと表現して良いのかわからないが
恐らく医療器具であろうモノを手にした。
袖は肩までめくりあげられ、恐怖とともに恥辱ともとれる感情が
同時に起こった。
「何をするつもりだ?!」
男は私の肩に液体を擦り込む!
「エ、エチルアルコール?!」
学生時代に嗅いだ経験があるので、すぐにわかった!
混乱が私を襲う!
次の瞬間、肩に激痛が走る!
「あぁぁ!!」
叫びは痛みへの反射行動だけでなく絶望をも含んでいた。
その時すべてを悟った。
幾多の修羅場をくぐった経験から
私には容易にそれが何なのかわかったのだ。
「凶悪ウィルス」
この男は私に「凶悪ウィルス」を打ち込んだのだ。
「何かの実験か?それとも口封じが目的か?」
朦朧とする意識の中、数分前の記憶が蘇る。
はい。
はい。
はい。
同意します。
署名
インフルエンザの予防接種はお早めに。
っつー話。